伊吹山の地勢と気候

1)地勢
伊吹山(標高1,377m)は琵琶湖の東にあり、滋賀県と岐阜県の境で独立峰を形成している。石灰岩地帯に属し、周辺に高い山がないことから四季を彩る美しい山容が広く愛され、山の品格、歴史、個性に優れているものとして、1964年に深田久弥氏により日本百名山の一つとして選ばれた。
2)気候
日本海の若狭湾と太平洋の伊勢湾を結ぶ風の通り道の壁になるため大陸から日本海を渡る湿った強い風が変化に富んだ独特の気候を生む。伊吹山の月平均気温は8月で18.1℃、2月で−5.2℃である。気温が低く降水量が多いうえ特に冬期に積雪が多い日本海気候区北陸型に属する。他の山岳と比較して、高さの割に風が強いことが特徴である。積雪は11月に始まり、2月が最も深くなりおよそ5mとなる。その後は減り始め5月にはなくなる。最深積雪は1927年2月14日に11、82mの記録があり、世界山岳観測史上1位となっている。伊吹山名物のキリ(霧)は琵琶湖、日本海、太平洋の湿気が創る幻想芸術。キリや雨の恩恵で約1,300種の植物や豊かなお花畑が育つ。気温は麓の彦根や関が原より7〜9℃低いので衣服の軽装は注意したい。